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神経科学:飲水欲求調節の基盤となる階層的な神経構造
Nature 555, 7695 doi: 10.1038/nature25488
食欲を制御する神経回路は、生体恒常性上の過不足と摂取行動の両者により調節されている。しかし、これらの内的刺激と外的刺激を統合する回路の構成は未解明である。今回我々は、マウスで、大脳終板内の興奮性神経細胞群が、飲水欲求を調節するための階層的回路を構築していることを明らかにする。こうした神経細胞群のうち、正中視索前核(MnPO)の一酸化窒素合成酵素を発現するニューロンは、脳弓下器官(SFO)の飲水欲求誘導ニューロンからの信号を統合するのに不可欠だった。一方、グルカゴン様ペプチド1受容体(GLP1R)を発現するMnPOのGABA作動性ニューロンを含む抑制性の回路が別にあり、飲水後これが直ちに活性化されて、単シナプス性にSFOの飲水欲求ニューロンを抑制した。これらの応答は、固体ではなく液体の摂取によって起こり、飲水の開始と停止に時間同期していた。また、GLP1Rを発現するMnPOニューロンに機能喪失操作を行うと、多渇で過飲の表現型が表れた。従って、これらのニューロンは、液体摂取をリアルタイムにモニタリングして飲水欲求の迅速な充足を促すと考えられる。この研究で、生体恒常性からの本能的な液体摂取要求と、その結果としての飲水行動とを統合して体内の水分バランスを維持する動的な飲水欲求調節回路が、明らかになった。

