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神経科学:外側手綱核アストログリアのKir4.1はうつ病でのニューロンのバースト発火を促す

Nature 554, 7692 doi: 10.1038/nature25752

外側手綱核(LHb)ニューロンのバースト活動の増加は、うつ様行動の誘発に必須だが、その増加がなぜ起こるかはこれまで分かっていなかった。今回、ハイスループットの定量的プロテオミクススクリーニングの結果、うつ病ラットモデルのLHbで、アストログリアのカリウムチャネルの1つ(Kir4.1)の発現が上昇していることが分かった。LHbのKir4.1は、ニューロンの細胞体を密に包んでいるアストロサイトの膜突起上に、はっきりと識別できるパターンで発現している。電気生理学的実験およびモデル化データから、アストロサイト上のKir4.1のレベルが、LHbニューロンの膜過分極の程度とバースト活動の量を緊密に調節していることが示された。LHbのKir4.1をアストロサイト特異的に増減させると、ニューロンのバーストとうつ様症状が、両方向的に調節された。これらの結果を総合すると、LHbの細胞体周囲でのグリア–ニューロン間相互作用がニューロンの発火様式の設定に関わることが、主要な精神疾患のモデル動物で示された。LHbのKir4.1は、臨床的うつ病の治療標的の1つになる可能性がある。

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