Letter
宇宙物理学:コーラス波による電子散乱に起因する脈動オーロラ
Nature 554, 7692 doi: 10.1038/nature25505
オーロラサブストームは、夜間に超高層大気中で起こる動的現象であり、蓄えられた太陽風エネルギーを解放する大規模な磁気圏の構造変化に起因する。こうしたサブストームを特徴付けるのは、夕方から真夜中側で起こるオーロラブライトニング、続いて突然爆発(ブレイクアップ)する明るいオーロラアークの激しい動き、その後明け方側に現れる脈動する淡い斑点(パッチ)状のオーロラである。脈動オーロラは、準周期的に明滅する直径が数十キロメートルから数百キロメートルのパッチであり、両半球の高緯度域で高度約100 kmの上空に現れ、空全体が複数のパッチで覆われることが多い。このオーロラ脈動は、周期が数秒から数十秒であり、磁気圏から到達して超高層大気の原子や分子と衝突する高エネルギー電子(数キロ電子ボルトから数十キロ電子ボルト)が間欠的に降下することによって生じる。この降下の原因として考えられるのは、磁気圏電子とホイッスラーモード・コーラス波と呼ばれる電磁波の相互作用である。しかし、これまでのところ、この相互作用の直接的な観測証拠は得られていなかった。今回我々は、高エネルギー電子がコーラス波によって散乱される結果、そうした電子降下が起こることを報告する。観測は、高角度分解能電子センサーと電磁場計測器を搭載した磁気圏衛星を用いて、2017年3月に行われた。測定された準周期的な降下電子フラックスには、脈動オーロラを生じさせるのに十分な強度があり、実際に、地上のオーロライメージャーでも同時に脈動オーロラが観測された。

