Letter
気候科学:最終氷期極大期から完新世までの温度変動の減少の全球分布
Nature 554, 7692 doi: 10.1038/nature25454
気候変動の変化は、社会が取り組む上で、平均的な気候の変化と同じくらい重要である。最終氷期極大期と完新世の温度変動の対比からは、気候の平均的な状態とその変動の関係に関する知見が得られる。しかし、氷期–間氷期の変動の変化は、グリーンランドについては定量化されているが、全球的な描像はまだ得られていない。本論文では、海洋と陸上の温度の代理指標のネットワークを用いて、最終氷期極大期(約2万1000年前)から完新世(この1万1500年間)にかけて気候が3~8°C温暖化するにつれて、全球の温度変動が4分の1に低下したことを示す。この変動の低下には明瞭な帯状のパターンがあり、熱帯域ではあまり変化せず(わずか1.6~2.8分の1)、両半球の中緯度域では変化がより大きかった(3.3~14分の1)。対照的に、グリーンランドの氷床コアの記録は、温度変動が73分の1に低下したことを示しており、グリーンランドでは、局地的な温度を上回る影響があること、あるいは気温変動と全球表面の温度変動が無関係であることが示唆される。こうした変動の低下の全体的なパターンは南北温度勾配の変化によって説明でき、この機構では温暖化した将来において温度変動がさらに低下することが示されている。

