古気候学:完新世の気温の1000年スケールの変動の変化傾向の相違を調整する
Nature 554, 7690 doi: 10.1038/nature25464
過去2000年の大半の期間における寒冷化は広く認識されており、これは過去1万1700年間(完新世)における全球気温の支配的な変化傾向であると推測されている。しかし、長期的な寒冷化と全球の強制力を一致させることは難しく、気候モデルでは、一貫して長期的な温暖化がシミュレートされている。シミュレーション結果と再構築結果の相違は、主に北半球中緯度域に現れており、複数の手法を用いて、海洋と沿岸域の記録から著しい寒冷化が推測されている。本論文では、北米とヨーロッパの642地点に由来する花粉の準化石から再構築された気温が、シミュレーション結果とよく一致し、寒冷化ではなく、長期的な温暖化が約2000年前までの完新世の特徴であることを示す。再構築結果は、長期的な寒冷化の証拠が北大西洋域の記録に限定されていたことを示している。大陸の前期完新世の気温は、過去2000年間より2°C以上低く、コミュニティー気候システムモデル3(CCSM3)でシミュレートされる残った氷床の効果と一致する。CCSM3は、5°Cを上回る暖かさを年当たりで積算した尺度である「成長度日」が、完新世において300ケルビン日以上増大したことをシミュレートしている。これは、花粉データから得られる推測と一致する。CCSM3はさらに、夏季の平均気温が2°C以上低下したこともシミュレートしているが、この結果は再構築された海洋の変化傾向と相関しており、記録に含まれるさまざまな季節内感度が重要である可能性を示している。変化傾向が異なるにもかかわらず、花粉と海洋に基づく再構築結果は、100~1000年の時間スケールで相関しており、おそらくこれは、氷床や融解水のダイナミクスや、CCSM3によって生成された気温変動に似た確率的なダイナミクスに応答したものと考えられる。今回の結果は、単一の古気候データ源(花粉)と単一の気候モデルシミュレーションに依存しているが、気候モデルが、現代以外の期間の気候も適切にシミュレートできるという考えを補強するものである。我々の結果はさらに、最近数十年間の増幅された温暖化によって上昇した気温は、過去1万1000年間のどの世紀の平均値よりも高いことも実証している。

