Article
分子生物学:RNAポリメラーゼIIIによるプロモーター開裂の分子機構
Nature 553, 7688 doi: 10.1038/nature25440
RNAポリメラーゼIII(Pol III)と転写因子IIIB(TFIIIB)は、さまざまなプロモーター上に集合して、短鎖ではっきりした構造を持つRNAの転写を開始する。今回我々は、サブユニット17個からなるPol IIIとヘテロ三量体の転写因子TFIIIBとから構成され、天然状態のプロモーターに結合したPol III転写開始前複合体について、さまざまな機能状態にある際の構造を示す。クライオ(極低温)電子顕微鏡による再構築像は分解能が3.7~5.5 Åとばらついているが、DNA二本鎖が閉じている2種類の初期中間体、DNAが開裂している複合体、また活性部位にRNAがある当初の転写複合体が含まれている。これらの構造は、TFIIIBとプロモーターDNAの間に非常に緊密な多価相互作用が存在することを明らかにしており、TFIIIBがPol IIIを引き寄せる仕組みが説明される。まとめると、TFIIIBとPol IIIのサブユニットC37は、Pol III特異的ヘテロ三量体が持つ固有の転写因子様の働きを活性化して二本鎖DNAの開裂を開始させており、その機構はPol II系とよく似ている。

