がん:REV-ERBの薬理学的活性化は、がんとがん遺伝子誘導性老化で致死を引き起こす
Nature 553, 7688 doi: 10.1038/nature25170
概日時計は、細胞増殖、代謝、炎症、DNA損傷応答において日周リズムを定めている。これらの過程の乱れが、がんの特徴であり、慢性的な概日リズムの崩壊は、個体での腫瘍発生を高める。このことから、概日装置の薬理学的調整が、がんとの戦いに対する効果的な治療戦略になり得るという仮説が立てられる。核内ホルモン受容体REV-ERB[REV-ERBα(別名NR1D1)とREV-ERBβ(別名NR1D2)]、は概日時計の必須構成因子である。今回我々は、REV-ERBの2つのアゴニスト(SR9009とSR9011)が、がん細胞やがん遺伝子誘導性の老化細胞(メラノサイト性母斑を含む)に対して特異的に致死を引き起こすが、正常な細胞や組織の生存には影響しないことを示す。SR9009とSR9011の抗がん活性は、多くの発がん性ドライバー(HRAS、BRAF、PIK3CAなど)に影響し、p53非存在下や低酸素条件下で持続する。SR9009とSR9011によるオートファジーやde novo脂質生合成の調節は、悪性細胞でアポトーシス応答を引き起こす上で決定的な役割を果たしている。特に、これらのREV-ERBアゴニストの選択的抗がん特性が、マウスにおいて、in vivoでの神経膠芽腫の増殖を阻害し、明白な毒性を引き起こすことなく生存を延長させたことは重要である。これらの結果は、概日調節因子の薬理学的な調節が効果的な抗腫瘍戦略であることを示しており、治療域の広い抗がん剤のグループが明らかになった。我々は、REV-ERBアゴニストは、悪性と良性の新生物に対して選択的な活性を持つ、オートファジーとde novo脂質生合成の阻害剤であると提唱する。

