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地球化学:海底の玄武岩中の鉄の酸化状態から得られた深海の溶存酸素の記録

Nature 553, 7688 doi: 10.1038/nature25009

地質学的過去における深海の酸素化は、大気中の酸素分子(O2)の分圧の現在に近いレベルへの上昇や、現在の海洋生物地球化学的循環の出現と関連付けられてきた。また、初期動物の出現や多様化とも結び付けられている。約25億~8億年前には、深海の大半が無酸素状態であったと一般的に考えられており、約8億~4億年前に深海が酸素化し、酸素化に十分なレベルまで大気中の酸素分圧が上昇したと見積もられている。この期間の深海の溶存酸素濃度は、太古の大陸棚か大陸斜面の堆積物に保存された地球化学的特徴を用いて見積もられることが多いが、これは深海の地球化学的状態を間接的にしか反映していない。本論文では、海盆で形成された熱水変成した玄武岩中の全Feに対するFe3+の比に基づく、深海の酸素濃度をより直接的に反映した記録を提示する。このデータから、35億~1400万年前の深海の溶存酸素濃度の定量的見積もりが可能になり、深海の酸素化は顕生代(5億4100万年前~現在)に生じたもので、後期古生代(4億2000万年前以降)まで生じなかった可能性があることが示唆される。

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