Letter
微生物学:腸内微生物相の精密な編集により大腸炎を緩和する
Nature 553, 7687 doi: 10.1038/nature25172
消化管の炎症性疾患は多くの場合、腸内細菌科(プロテオバクテリア門)の通性嫌気性細菌の増殖などの腸内微生物群集内の変化を特徴とするディスバイオーシスと関連している。今回我々は、腸で炎症が起きている際の腸内細菌科細菌のディスバイオーシスによる増殖は、タングステン酸塩の投与により防ぎ得ることを示す。タングステン酸塩は、炎症が起きている際にのみ機能するモリブデン補因子依存的な細菌の呼吸経路を選択的に阻害した。それとは対照的に、タングステン酸塩投与は、恒常的条件下では微生物相の構成に最小限の変化しか起こさないことが分かった。特に、タングステン酸塩による微生物相の編集により、大腸炎マウスモデルで腸炎症状が軽減したことは重要である。我々は、タングステン酸塩投与により微生物相構成を精密に編集することで、炎症の起きた腸でディスバイオーシスの有害な影響を軽減できると結論する。

