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幹細胞:アルコール由来および内因性のアルデヒドは染色体に損傷を与えて幹細胞に変異を引き起こす

Nature 553, 7687 doi: 10.1038/nature25154

造血幹細胞は血液を更新する。造血幹細胞でのDNA損傷の蓄積は細胞数減少を促すが、この損傷の誤った修復は悪性腫瘍を開始させる。今回我々は、内因性のアルコール由来代謝産物であるアセトアルデヒドによって引き起こされるDNA損傷の特徴および変異の全体像を報告する。この損傷によってDNA二本鎖切断が生じ、これは組換え修復を促すが、染色体の再構成も引き起こす。我々は、単一の造血幹細胞の移植と全ゲノム塩基配列解読を組み合わせることで、この損傷が幹細胞で起こり、マイクロホモロジー媒介末端結合修復につながる欠失や再構成が引き起こされることを見いだした。さらに、p53の欠失はアルデヒドストレスを受けて変異した造血幹細胞の生存を完全に救済するが、個々の幹細胞内のゲノム不安定性のパターンあるいは強度を変化させなかった。これらの知見から、アルコール由来の内因性のDNA損傷供給源による幹細胞ゲノムの変異の特徴が明らかになった。その上、DNA修復経路の選択と厳密なp53応答が、幹細胞においてアルデヒド誘発性変異の伝播を制限する仕組みが分かった。

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