Letter

宇宙物理学:高速電波バースト源FRB 121102に伴う極端な磁気イオン環境

Nature 553, 7687 doi: 10.1038/nature25149

高速電波バーストは、継続時間がミリ秒の銀河系外の電波閃光であり、その物理的起源は分かっていない。知られている唯一の反復電波バースト源であるFRB 121102は、その位置が赤方偏移0.193にある矮銀河内の星形成領域に特定されており、持続的なコンパクト電波源と空間的に一致している。しかし、バーストの起源、持続的な電波源の性質、局所的な環境の特性はまだよく分かっていない。本論文では、FRB 121102を観測し、放射源の座標系において変動する非常に大きなファラデー回転測度(7か月を隔てて+1.46 × 105 rad m−2から+1.33 × 105 rad m−2まで変動する)でほぼ100%直線偏波した放射と、狭い時間的な構造(30マイクロ秒以下)とが示されたことを報告する。変動する大きな回転測度は、FRB 121102が極端で動的な磁気イオン環境にあることを示しており、バーストの継続時間が短いことから、中性子星が起源と示唆される。そうした大きな回転測度は、これまで大質量ブラックホール(太陽質量の約1万倍以上)の近傍でしか観測されていない。実際に、持続的な電波源の特性は、低光度で降着を受けている大質量ブラックホールの特性と矛盾しない。従って、この電波バーストは、こうした環境にある中性子星に由来する可能性がある。あるいは、他のモデル、例えば若い中性子星を取り囲んでいる強く磁化されたパルサー風星雲や超新星残骸によって説明できる可能性もある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度