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天文学:赤方偏移6.8の位置にある2つの銀河に観測される[C II]輝線ガスの回転

Nature 553, 7687 doi: 10.1038/nature24631

最初期の銀河は、宇宙史の最初の10億年間に出現し、こうした銀河によって、この時期の宇宙に広がっていた中性水素の電離が始まったと考えられている。この「再電離の時代」の研究では、宇宙の膨張によって現在では地球から非常に遠い距離に位置し、従って高赤方偏移を示す古い銀河のスペクトルの痕跡を探す必要がある。しかし、こうしたスペクトルの指紋を発見することは難しい。古くて遠方にある銀河のスペクトルの特徴の1つは、強い水素輝線(ライマンα輝線と呼ばれる)だが、再電離の時代の初期に存在した中性の銀河間物質は、そうしたライマンα光子を散乱する。他に考えられるスペクトルの識別子は、1階電離状態の炭素の波長157.74 μmの輝線([C II] λ = 157.74 μm)であり、これは、冷却ガスであることを示し、初期宇宙では明るかったと予想されている。しかし、再電離の時代のライマンα輝線銀河の[C II]輝線光度はこれまで、局所的なスケーリング則から予測されるよりかなり暗く、ライマンα輝線がなく測光赤方偏移が6より大きな(宇宙誕生から10億年間に対応する)放射源における[C II]輝線の探査は成功していなかった。本論文では、近赤外線の測光観測に基づいて高赤方偏移の候補天体として選択した2つの放射源から、[C II] λ = 157.74 μmの輝線を発見し、これらの放射源が、z = 6.8540 ± 0.0003とz = 6.8076 ± 0.0002の赤方偏移の位置にある2つの銀河であることを確認した。特に、これらの銀河からの[C II]輝線の光度は、6.5より大きな赤方偏移に位置する星形成銀河でこれまで発見されたものより高い。明るく広がった[C II]輝線は明瞭な速度勾配を示し、これを回転として解釈すれば、これらの銀河の力学的な性質が、「宇宙史の正午」と呼ばれるさらに20億年後のHα輝線銀河に観測されている、乱流状態だがそれでも回転の優勢な円盤に似ていることを示していることになる。

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