植物科学:寄生植物アメリカネナシカズラのマイクロRNAは宿主のmRNAを標的とする
Nature 553, 7686 doi: 10.1038/nature25027
ネナシカズラ属(Cuscuta spp.)は絶対寄生植物であり、吸器と呼ばれる栄養摂取に特化した構造を介して宿主植物の茎から水や栄養を得ている。ネナシカズラの吸器は、宿主と寄生植物間でウイルスやタンパク質、mRNAの双方向的な移動を促進するが、これらの物質の移動の機能的効果は不明であった。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)に寄生する間、アメリカネナシカズラ(Cuscuta campestris)の吸器が多くの新規マイクロRNA(miRNA)を高レベルで蓄積することを示す。これらのmiRNAの多くは22ヌクレオチド長だった。この長さの植物のmiRNAは一般的でなく、二次的な短鎖干渉RNA(siRNA)の産生を通じて標的サイレンシングの増幅に関わっている。いくつかのシロイヌナズナのmRNAは、寄生に際してアメリカネナシカズラの22ヌクレオチドのmiRNAの標的となっており、mRNAの切断、二次的なsiRNAの産生、mRNA蓄積の減少が見られる。標的mRNAをコードする座位の2つに変異を持つ宿主では、アメリカネナシカズラの成長が著しく増進した。アメリカネナシカズラがシロイヌナズナに寄生する時に発現し活性化するmiRNAと同じものが、ベンサミアナタバコ( Nicotiana benthamiana)への寄生時にも発現し活性化していた。他の植物種で標的となるmRNAの相同遺伝子も、アメリカネナシカズラのmiRNA誘導のための予想標的配列を持っていた。これらのデータは、アメリカネナシカズラのmiRNAが、種を超えた宿主の遺伝子発現の調節因子として働くことを示し、寄生時の毒性因子として機能することを示唆している。

