生物工学:哺乳類宿主において微生物を非侵襲的に画像化するための音響レポーター遺伝子
Nature 553, 7686 doi: 10.1038/nature25021
哺乳類のマイクロバイオームは、健康や疾患において多くの重要な役割を果たしており、また遺伝子工学により、微生物を用いた治療法や診断法の開発が可能になっている。天然の微生物でも改変された微生物でも、そのin vivoでの活動の重要な決定要因は宿主生物内の存在場所である。しかし、細胞の位置や機能を画像化する既存の方法は主に発光レポーター遺伝子を基盤としているが、光の散乱のため深部組織で実行するには限界があったり、放射性トレーサーを必要としたりする。今回我々は、深部組織透過性で空間分解能が高く、広く利用可能で費用がかからない超音波技術を用いることで、in vivoで細菌の遺伝子発現を視覚化できる遺伝学的コンストラクトである音響レポーター遺伝子を報告する。こうしたコンストラクトはガス胞を基盤としている。ガス胞とは、気体で満たされた独特の種類のタンパク質ナノ構造で、主に水生光合成生物が浮力を調節する手段として発現している。大腸菌(Escherichia coli)およびネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)に、ガス胞をコードする改変遺伝子クラスターを異種発現させることで、100 μm未満の分解能で、0.01%より低い体積密度での非侵襲的画像化を行うことができた。我々は、消化管や腫瘍での局在の概念実証モデルにおいて改変細胞のin vivo画像化を示し、また、複数の細胞集団の多重画像化が可能な、別個の音響レポーターを開発した。この技術は、微生物細胞に哺乳類宿主内の深部を視覚化する手段を備えさせることで、哺乳類マイクロバイオームの研究や、診断および治療のための細胞医薬品の開発を促進する。

