細胞生物学:クラスリンを介したエンドサイトーシス輸送におけるホスホイノシチド変換の動態
Nature 552, 7685 doi: 10.1038/nature25146
小胞は輸送担体として、タンパク質や脂質を細胞小器官から別の小器官へと運び、このとき、供給側の膜と受容側の膜にある特異的な識別子を認識する。2種類の重要な識別子がホスホイノシチドとGTP結合型GTPアーゼで、これらは明確に定義されているが可変性の標識となる。ホスファチジルイノシトールとそのリン酸化誘導体は、細胞のほとんどの膜の細胞質側に存在する。その頭部の可逆的リン酸化によって、7種類の異なったホスホイノシチドが生じる。エンドサイトーシス輸送では、ホスファチジルイノシトール 4,5-二リン酸は細胞膜を、ホスファチジルイノシトール 3-リン酸とホスファチジルイノシトール 4-リン酸は異なるエンドソーム区画を示す目印となる。膜の脂質成分の一連の変化のいずれが各中間段階で小胞に独特の特性を持たせるのかは解明されていない。今回我々は、クラスリン関連構造のホスホイノシチド組成を選択的に報告する「一致性検出」センサーを開発し、これを用いてエンドサイトーシスの際に起こるホスホイノシチド変換の動態を追跡した。周囲の細胞膜と平衡にある集合中の被覆ピットの膜には、ホスファチジルイノシトール 4,5-二リン酸と、より少ない量のホスファチジルイノシトール 4-リン酸が含まれる。小胞が閉じると、細胞膜との自由な交換が妨げられる。出芽直後にホスファチジルイノシトール 4-リン酸が爆発的に生じ、同時にホスファチジルイノシトール 3-リン酸も急激に生じるが、これはその後に初期エンドソームで見られるホスファチジルイノシトール 3-リン酸の蓄積とは別物である。それから、非被覆小胞がRab5陽性のエンドサイトーシス中間体へと成熟するにつれ、ホスファチジルイノシトール 3,4-二リン酸とGTPアーゼRab5が現れ、持続する。これらの観察結果は、小胞を元の膜から分離することにより可能になる分子変換カスケードによって、膜輸送中間体が標識されて、それらの目的地が決められることを示している。

