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材料科学:力の印加によって説明される、細胞によるリガンドの空間センシング

Nature 552, 7684 doi: 10.1038/nature24662

細胞は、細胞膜内の個々のインテグリンタンパク質やインテグリンを含むより大きな接着複合体を用いて、細胞外マトリックス(ECM)分子の密度と分布を感知できる。この空間センシングによって、さまざまな正常状態や病的状態における細胞活動が駆動される。これまで、剛性ガラス表面での細胞の研究では、ECMリガンドの空間センシングがナノメートルスケールで起こり、単一のインテグリン–リガンド結合が数十ナノメートル以上離れている場合には、インテグリンのクラスター化とそれに続くフォーカルアドヒージョンの形成が阻害されることが示されている。従って、このサイズの「アダプター」架橋タンパク質がインテグリンとアクチン細胞骨格をつなぎ、リガンド間隔を直接感知する分子定規として機能している可能性が示唆されてきた。今回我々は、剛性とECMリガンドのナノメートルスケール分布を制御し変化させることができるゲルを開発した。リガンドの間隔を大きくすると、低剛性基質上ではフォーカルアドヒージョンの成長が促進されるが、より剛性の高い基質上ではフォーカルアドヒージョンの崩壊につながることが見いだされた。さらに、リガンド分布を無秩序化すると、フォーカルアドヒージョンの成長が急激に速くなるが、フォーカルアドヒージョン崩壊の剛性しきい値が低下する。フォーカルアドヒージョンの成長と崩壊は、それぞれ転写調節タンパク質YAPの核局在化と細胞質局在化に反映される。我々は、これらの知見をリガンド間隔の直接センシングを通してではなく、コンピューターによる拡張型分子クラッチモデルを用いて説明する。このモデルでは、分子クラッチである個々のインテグリン–ECM結合が、最大値に達するまでは、追加のインテグリンを集合させることによって力の印加に応答する。これによってクラッチがさらに生成され、それらの間で全体の力が再分配され、クラッチ当たりの力の印加が減少する。剛性が高くリガンド間隔が大きい場合、集合が最大値に達してさらなる力の再分配が阻まれ、フォーカルアドヒージョン崩壊につながる。このモデルは、細胞のけん引力とアクチン流速の測定によって裏付けられた。今回の結果から、細胞がナノスケールでの空間的・物理的な情報を感知して、フォーカルアドヒージョン形成や転写調節活性化の条件範囲を正確に調整する仕組みに関する一般的な枠組みが得られた。

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