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免疫学:RIFINによる抑制化受容体を介した熱帯熱マラリア原虫の免疫逃避
Nature 552, 7683 doi: 10.1038/nature24994
マラリアは最も深刻なヒト感染症の1つで、毎年約50万人が死亡している。マラリアの最も致死的な症例は熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)によって引き起こされる。熱帯熱マラリア原虫に繰り返し曝露されても、マラリアに対する獲得免疫は効果がないが、熱帯熱マラリア原虫が用いる免疫調節機構はほとんど解明されていない。今回我々は、熱帯熱マラリア原虫が免疫抑制化受容体を用いて免疫逃避を獲得していることを示す。RIFINタンパク質は、寄生虫ゲノム当たり約150~200遺伝子からなる多型多重遺伝子ファミリーの産物で、感染赤血球の表面に発現する。RIFINのサブセットの1つが、白血球免疫グロブリン様受容体B1(LILRB1)あるいは白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIR1)に結合することが分かった。LILRB1に結合するRIFINは、LILRB1を発現するB細胞やナチュラルキラー(NK)細胞の活性化を抑制する。そのうえ、重症のマラリア患者から単離した熱帯熱マラリア原虫感染赤血球は、重症ではないマラリア患者の赤血球よりもLILRB1と相互作用する可能性が高かったが、標本数をさらに増やして研究することによってこの知見を確認する必要がある。我々の結果から、熱帯熱マラリア原虫は多数のRIFINを獲得して、免疫抑制化受容体を標的とすることで宿主免疫系を逃避していると考えられる。

