Letter
疫学:1900年以降のサハラ以南のアフリカにおける熱帯熱マラリア原虫の保有率
Nature 550, 7677 doi: 10.1038/nature24059
マラリアの伝播は、気候、土地利用、計画的な介入の影響を受ける。最近、マラリア伝播の減少が観察されている。今回我々は、アフリカ大陸では熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)の保有率が、1900~1929年の40%から、2010~2015年の24%へと長期的に減少しており、この減少傾向の間には何度かの伝播の急増期や急減期があったことを示す。過去115年間の周期や傾向は、気候あるいは計画的な介入のみによる説明とは一致しない。これまでの世界的なイニシアチブがマラリア伝播に及ぼした影響は小さく、2000年以降に、歴史的に前例のないマラリア伝播の減少が観察された。しかし、西アフリカおよび中央アフリカの大部分が含まれる高伝播率地帯では、ほとんど変化が見られない。アフリカにおける熱帯熱マラリア原虫の伝播強度のパターン変化をモデル化するためのこれまでの取り組みは、過去15年間に限定されているか、伝播の歴史の専門家の意見に基づいて描かれた地図を用いているかのどちらかである。我々は、3万6966のジオコード化された地点での5万424の調査からの定量的データを示す。これは、サハラ以南のアフリカでの115年間のマラリアの歴史を網羅している。これらのデータから将来の傾向を推定すると、マラリア伝播は、再増加の期間を何度か挟みつつも、継続的に減少すると予測される。

