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細胞生物学:DNA損傷後の有糸分裂進行は微小核内でのパターン認識を可能にする
Nature 548, 7668 doi: 10.1038/nature23470
遺伝毒性物質によるがん治療後に起こる炎症性遺伝子発現はよく調べられているが、その誘導の原因となる事象についてはほとんど分かっていない。炎症性サイトカインは、免疫細胞を誘導することで腫瘍微小環境を変化させ、放射線治療に対する局所性と全身性(アブスコパル)の両方の腫瘍応答に非常に重要である。これらの応答でよく分かっていない特性は、急性のDNA損傷応答が数分から数時間で起こるのに対して、遅発性(数日)であることである。このように反応速度が二股に分かれていることは、DNA損傷が誘導する炎症に必須の別の律速段階があることを示唆している。今回我々は、二本鎖DNA切断後の有糸分裂における細胞周期の進行が、炎症性シグナル伝達の活性化に先行して微小核形成を引き起こし、微小核はパターン認識受容体の環状GMP–AMPシンターゼ(cGAS)の貯蔵所であること示す。有糸分裂の進行の阻害や、STING(stimulator of interferon genes)–cGASによるパターン認識の喪失は、インターフェロンシグナル伝達を減弱させた。さらに、STINGの欠失は、in vivoでの電離放射線と免疫チェックポイント阻害という状況においてアブスコパル腫瘍の退縮を妨げた。これらの知見は、細胞周期の時間的調節が、遺伝毒性物質と免疫チェックポイント阻害を組み合わせた治療戦略の状況において重要な考慮事項であることを示している。

