Letter

化学的生命の誕生:鉱物の包含物中に封入された原始生代の生命構成元素

Nature 548, 7665 doi: 10.1038/nature23261

グリーンランド西部のイスアに由来する37億年以上前の変堆積岩には、13Cが枯渇した炭素質化合物が含まれており、その同位体比率は生物起源のものに相応する。これらの岩石中の変成柘榴石結晶には、炭素質包含物の痕跡が含まれており、こうした痕跡は、炭素が完全にグラファイト化した母岩の炭素に富む堆積鉱床と連続している。これまでの研究では、この炭素質物質と構造的に結合した他の生命構成元素(主に水素、酸素、窒素およびリン)を報告するには至っていない。今回我々は、柘榴石の斑状変晶に覆われた炭素質包含物について、包含物内の約10−21 m3の領域に対してin situ赤外吸収法を適用し分析した。その結果、得られた吸収スペクトルは、炭素と窒素の結合および炭素と酸素の結合、そしておそらく炭素とリン酸塩の結合と一致することが明らかになった。一方で、C–H結合やO–H結合のレベルは低かった。以上の結果は、数十億年にわたって隔離され、約500°Cの温度で熱的に成熟した生物起源の有機物質と一致する。従ってこれらの結果は、地球の地質記録において最古である可能性のある生物起源の炭素残存物に関する空間的特性評価を提供するものである。堆積物質中に原始生代の有機残留物が保存されていたことは、イスアの変堆積物中に含まれる炭素を生物起源とする以前の主張を裏付けている。

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