Letter
天文学:GRB 160625Bの即時可視閃光の間に顕著に変動する直線偏光
Nature 547, 7664 doi: 10.1038/nature23289
新しく形成された恒星質量ブラックホールは、電離した物質の絞り込まれたアウトフロー(ジェット)を光速に近い速さで放出する。こうしたアウトフローは、γ線バースト(GRB)と呼ばれる、即時の、持続時間の短い強力なγ線の閃光を駆動し、その後、長時間継続する残光放射が電磁スペクトル全体にわたって検出される。観測されるGRBの放射の偏光計測は、絞り込まれたジェットの磁場の直接的な探査手段となる。新しく発見されたバーストの速やかな偏光観測対応によって、初期の残光段階が調べられ、即時放射が終わった数分後には直線偏光度が30%程度の高さになり得ることが示されており、これは、大域的に規則正しい安定した磁場が、中心の放射源から遠く離れたジェットにまで浸透しているという考え方と矛盾しない。対照的に、即時段階の可視光とγ線の観測結果は一致せず、論争の的となることが多く、即時放射の起源や磁場構造に関する決定的な結論は導かれていない。本論文では、GRB 160625Bからの極端に高エネルギーで長時間継続するγ線放射を伴った即時可視閃光に、変動する大きな(最も控えめなシミュレーションで8.3 ± 0.8%)直線偏光を検出したことについて報告する。今回の計測によって、中心にあるブラックホールにより近いジェットの初期段階の磁場構造が調べられ、ブラックホールから移流し、ジェット内部での散逸過程によってゆがめられた大規模な磁場における急速冷却シンクロトロン放射を通して、即時段階が生じることが示された。

