構造生物学:リソソームのカリウムチャネルTMEM175は新規の四量体構造をとっている
Nature 547, 7664 doi: 10.1038/nature23269
TMEM175はリソソームのK+チャネルで、リソソームの膜電位やpH安定性の維持に重要である。このチャネルは、6本の膜貫通ヘリックスからなる6-TMドメインの2個の相同なコピーを含み、カノニカルな四量体K+チャネルとの配列相同性はなく、このようなチャネルで見られるTVGYGという選択性フィルターモチーフを欠いている。原核生物のTMEM175チャネルは細菌やアーキアの一部に存在し、単一の6-TMドメインだけを持ち、四量体として機能している。今回我々は、藍藻の一種Chamaesiphon minutus由来の原核生物TMEM175チャネルであるCmTMEM175の結晶構造を明らかにし、その立体構造がカノニカルなK+チャネルのものとは全く異なることを示す。CmTMEM175の6本の膜貫通ヘリックスはいずれも、ドメイン交換を経ることなく、それぞれのサブユニットの中に密にパッキングされている。極めてよく保存されたTM1ヘリックスは、小孔の内側を覆う内側ヘリックスとなっていて、チャネル四量体中で砂時計型のイオン透過経路を作り出している。TM1ヘリックスのカルボキシ末端の半分に存在する疎水性残基の3つが3層重なって、イオン透過経路に沿った透過阻害箇所(ボトルネック)を形成し、これがチャネルの選択性フィルターとなっている。変異導入解析により、フィルター内の極めてよく保存されたイソロイシン残基が作る最初の層がチャネル選択性に最も重要であることが示唆された。従って、CmTMEM175の構造は、四量体陽イオンチャネルの新規な構造を示しており、そのイオン選択機構は古典的なK+チャネルファミリーのそれとは異なるように見える。

