Letter

有機化学:合成、計算、NMRの相乗効果で明らかになったバウラマイシンの正確な構造

Nature 547, 7664 doi: 10.1038/nature23265

生物活性を有する小分子天然物は、常に最も有益な新薬原料であるとともに、創薬の着想をもたらし続けている。そうした小分子は、珍しい環境や実現しにくい環境、多くの場合一過性の環境においてごく少量偶然見つかることがあるが、おそらく再び見つかることはない。そのような場合、相対配置と絶対配置の帰属を含め、分子構造を決定することが最も重要であり、分子の生物活性の理解が可能になる。立体化学的に複雑な非環状炭素鎖や柔軟な立体配座をとる炭素鎖からなる分子では、そうした構造決定が極めて困難である。バウラマイシン(AおよびB)は、その現代的な例である。バウラマイシンは少量単離され、有望な抗菌活性を有することが示されているが、この分子は柔軟な立体配座をとり、主としてJBCA法(J結合定数に基づく立体配置解析法)によって構造が決定されたものの、誤りであったことが判明した。我々はその後、バウラマイシンの真の構造の特定に取り組み、そうした分子の構造を迅速に解明する強力な方法を見いだした。具体的には、密度汎関数理論を用いる核磁気共鳴(NMR)パラメーターの予測と、エンコード(標識化)した天然物ジアステレオマー混合物の合成を可能にするホウ素を用いた一連の高効率合成変換を組み合わせることによって、正確な構造の迅速な特定と合成を可能にした。

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