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エピジェネティクス:母系のH3K27me3がDNAメチル化に依存しないインプリンティングを制御する

Nature 547, 7664 doi: 10.1038/nature23262

哺乳類の精子と卵母細胞は、ゲノムのエピジェネティック特性が異なり、異なる様式で組織化されている。受精後には、最初は明確な差のあった両親のエピゲノムが特定の座位を除いて大部分は均質化されるが、この例外の中にはインプリンティングを制御する領域が含まれる。父系と母系のクロマチンが均質化される仕組みや、インプリンティング制御領域がこの再プログラム化を免れる仕組みは、ほとんど解明されていない。今回我々は、マウスの接合子と桑実胚において、親の対立遺伝子に特異的でDNアーゼIに高い感受性を示す部位のプロファイルを明らかにし、このような対立遺伝子部位の原因となるエピジェネティック機構を調べた。そして、DNAメチロームの総合解析とヒストンH3リシン27トリメチル化(H3K27me3)ChIP–seq(chromatin immunoprecipitation followed by sequencing)法により、DNAのメチル化はないが母系対立遺伝子特異的なH3K27me3を持つ、父系対立遺伝子特異的にDNアーゼI高感受性部位のある遺伝子76個を明らかにした。興味深いことに、これらの遺伝子は着床前の胚では父系に発現しており、H3K27me3を異所的に除去すると、母系対立遺伝子の発現が誘発される。胚細胞系列では、H3K27me3に依存したインプリンティングの大部分が失われるが、胚体外細胞系列では少なくとも5個の遺伝子がインプリンティングされた発現状態を維持する。この5個の遺伝子は、卵母細胞のDNAメチル化には依存しないことがこれまでに実証されている、父系発現する常染色体インプリンティング遺伝子を全て含んでいた。従って、今回の研究により、母系H3K27me3が、DNAメチル化に依存しないインプリンティング機構の1つであることが明らかになった。

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