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分子生物学:HP1αによる液滴形成から示唆されるヘテロクロマチンにおける相分離の役割

Nature 547, 7662 doi: 10.1038/nature22822

ヘテロクロマチンによる遺伝子サイレンシングが起こる一因は、HP1(heterochromatin protein 1)がゲノムの大きな領域に広がって、その部分のクロマチンを凝縮させ、多様なリガンドを誘引できることにあると考えられている。今回我々は、ヒトHP1αタンパク質の新たな性質、すなわち、HP1αは相分離した液滴を形成し得ることを示す。修飾されていないHP1αは可溶性であるが、そのN末端側伸長部位のリン酸化やDNA結合は、相分離した液滴の形成を促進する。リン酸化による相分離は、特定のHP1αリガンドにより、促進または逆転できる。ヌクレオソームやDNAなどの既知のヘテロクロマチン構成要素は、選択的にHP1α液滴に分離されるが、転写因子TFIIBなどの分子には選択性が見られない。我々は一分子DNAカーテンアッセイ法を用い、非修飾型とリン酸化型のHP1αはどちらもDNA鎖を速やかに点状に凝縮させるが、特徴は異なることを見いだした。また、哺乳類細胞へ直接タンパク質を送達することにより、in vitroで相分離できないHP1α変異体は、リン酸化型HP1αよりも、形成する核内点状構造が小さく少ないことを示す。これらの知見は、ヘテロクロマチンを介した遺伝子サイレンシングは、相分離したHP1液滴内での凝縮クロマチンの隔離が一因となっている可能性があり、この液滴は核内の状況に基づいて特定のリガンドにより消失したり形成されたりすることを示唆している。

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