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幹細胞:異種間器官形成により機能的な自己膵島を作製
Nature 542, 7640 doi: 10.1038/nature21070
膵島移植は糖尿病の確立された治療である。我々はこれまでに、異種間胚盤胞補完法により、マウスの体内でラットの多能性幹細胞(PSC)からラットの膵臓を作製できることを示している。このように作製された膵臓は、機能的で、ラット由来の細胞で構成されるが、大きさはマウスサイズで、ラット糖尿病モデルの治療に必要な膵島数を単離するには不十分であった。今回我々は、これとは逆の、マウスPSCをPdx-1欠損ラット胚盤胞に注入する実験を行うことで、マウスPSC由来細胞から構成されるラットサイズの膵臓を作製した。次に、これらのマウス–ラットのキメラ膵臓から調製した膵島をストレプトゾトシン誘発性糖尿病マウスに移植した。移植された膵島は、(移植直後の5日間を除き)免疫抑制を行わずに、370日間以上にわたり宿主の血糖値を正常に維持した。これらのデータは、胚盤胞補完法によって異種動物体内で作製されたPSC由来膵島を治療に用いるという概念を実証するものである。

