惑星科学:レイトベニアが内部太陽系起源であることを示すルテニウム同位体の証拠
Nature 541, 7638 doi: 10.1038/nature21045
地球マントルに強親鉄性の元素が過剰に存在するのは、核形成が終わった後に始原的隕石物質が付加したことを反映していると考えられている。この「レイトベニア」は、地球集積の主要段階の後に地球型惑星領域に残っていた物質で構成されたか、より遠方の小惑星源か彗星源に由来していたかのどちらかである。炭素質コンドライトに似た小惑星か彗星からなるレイトベニアは、地球の揮発性物質と水の主要供給減である可能性があるため、こうした全く異なる起源を区別することは重要である。しかし、レイトベニアとそうした揮発性物質に富む物質の間の「起源上の」関連性は、これまで立証されても排除されてもいなかった。地球マントルのルテニウム(Ru)は主にレイトベニア由来であり、隕石は恒星由来の塵の不均一分布に起因するRu同位体変動を示すため、Ru同位体を用いてそうした起源上の関連性を決定できる。Ru同位体データや、隕石中のRu同位体異常とモリブデン(Mo)同位体異常の相関を用いて、レイトベニアが地球の主要な構成要素と同じ種類の内部太陽系の物質に由来することがこれまで主張されてきたが、炭素質コンドライトのRu同位体組成は、炭素質コンドライトがレイトベニアの供給源である可能性を排除できるほど十分には決定されていなかった。本論文では、炭素質コンドライトを含む全てのコンドライトのRu同位体組成が、地球マントルとは明確に異なることを示す。Ru同位体異常は、エンスタタイト・コンドライト、普通コンドライト、炭素質コンドライトの順に大きくなっており、日心距離がより大きい所で形成された物質ほどRu同位体異常が大きいことが立証される。今回のデータは、レイトベニアの起源は外部太陽系ではないことを示しており、レイトベニアが地球の揮発性物質と水の主要な供給源ではないことを示唆している。

