Review

量子物理学:カイラル量子光学

Nature 541, 7638 doi: 10.1038/nature21037

先端的フォトニックナノ構造体は、近年、光技術から量子情報処理に至る幅広い応用を支える光学やフォトニクスで革命を起こしている。こうした構造体内への強い光閉じ込めによって、光の局所的な偏光を伝搬方向に固定できるため、伝搬方向に依存した光の放出、散乱、吸収が量子エミッターから放出される光子に生じる。そうした伝搬方向に依存する、つまりカイラルな光物質相互作用の可能性は標準的な量子光学では説明されておらず、これが最近発見されたことでカイラル量子光学の研究分野が開かれた。カイラル量子光学からは、基本的に新しい機能性と応用が生まれる。すなわち、2つ以上の操作状態の量子重ね合わせで動作する非相反的な単一光子デバイスの構築や、決定論的スピン–光子インターフェースの実現が可能になる。さらに、方向性フォトニックリザーバーを設計すれば、例えば新しい種類の量子多体系をシミュレートできる、複雑な量子ネットワークの開発につながる可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度