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微生物学:Asgard上門アーキアによって明らかになる真核細胞の複雑性の起源

Nature 541, 7637 doi: 10.1038/nature21031

真核生物の起源や細胞の複雑性は、生物学における重要な謎の1つである。これまでの知見は、アーキアを宿主細胞としてミトコンドリアの起源となるアルファプロテオバクテリアが内部共生体となって融合し、最初の真核細胞を生じたとする仮説を支持している。ここで宿主細胞となったアーキアは、真核生物の特徴を多く持つアーキアであるロキアーキオータ(Lokiarchaeota)門と類縁関係にある。しかし、真核細胞を特徴付ける構造的な複雑性の由来についてはいまだ明らかにされていない。今回我々は、ロキアーキオータ門、Thorarchaeota門、Odinarchaeota門、Heimdallarchaeota門からなる未培養アーキア分類群「Asgard」上門を定義し、その特性について報告する。ゲノムに基づく系統解析からはAsgard上門アーキアと真核生物が同一の分類群に属することが示され、そのゲノムにはこれまで真核生物に特異的と見なされてきたタンパク質をコードする遺伝子が数多く見いだされた。中でも特筆すべきは、 Thorarchaeota門アーキアのゲノムがコードする、真核生物で膜輸送装置を構成するSec23/24やTRAPPドメインなどの複数のタンパク質のホモログである。さらに、Thorarchaeota門アーキアでは、小胞の生合成に関与する真核生物のコートタンパク質と同様の特徴を持つタンパク質も複数明らかになった。これらのゲノム情報は、アーキアに存在することが知られていた「真核生物特異的」なタンパク質のレパートリーを拡大するとともに、宿主細胞となったアーキアは、真核生物の誕生以前から真核細胞の複雑性を担う重要な構成要素の多くを備えていたことを示している。

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