Letter
進化学:ヒオリテス類は古生代の触手冠動物である
Nature 541, 7637 doi: 10.1038/nature20804
ヒオリテス類は、カンブリア紀の始めに出現し、世界的に数多く生息していた「殻を持つ」化石生物で、約2億8000万年に及ぶ古生代のあらゆる地層で見つかっている。しかし、この生物群の生態学的および進化学的重要性についてはいまだ解明されておらず、その主な理由は、軟組織の構造や、円錐形の殻とその蓋、また一部のタクソンに存在する1対の側棘(へレン)からなる特異な骨片系(scleritome)がうまく絞り込まれていないためである。175年以上前に初めて記載されて以来、ヒオリテス類は、所属不明とされるか、軟体動物に類縁とされるか、あるいは独自の門を割り当てられることが多かった。今回我々は、バージェス頁岩およびスペンス頁岩の化石鉱床に由来する中期カンブリア紀のヒオリテス類ハプロフレンティス(Haplophrentis)の1500点を超える標本について調べた。ハプロフレンティスは、半固着性の表在ベントス型懸濁物食者で、ヘレンはその管状の体を海底から持ち上げるのに使っていたと推測される。極めて良好な状態で保存されていた軟組織には、中心の口を取り囲むように存在する、触手の生えた伸縮可能でガル翼の形をした器官と、背側の肛門に通じるU字型をした消化管が含まれており、我々は前者の器官を触手冠と解釈した。対をなす両側性の骨片、および腹部の深い内臓腔と合わせて、これらの特徴は、ヒオリテス類が触手冠動物(腕足動物、箒虫動物、およびtommotiid類)に属することを示しており、この非常に特徴的な生物群の形態的な多様性を大きく広げている。

