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創薬:副作用を減らしたオピオイド鎮痛剤の立体構造に基づく創薬
Nature 537, 7619 doi: 10.1038/nature19112
モルヒネはケシ由来のアルカロイドで、疼痛治療に使われる。モルヒネや近縁のオピオイドの致死的となることもある副作用には命に関わる呼吸抑制などが含まれるが、これはβアレスチン経路を介するμオピオイド受容体(μOR)シグナル伝達、もしくは他の受容体が関わる作用によって仲介されると考えられている。逆に、Gタンパク質を介するμORシグナル伝達は鎮痛作用をもたらすとされている。今回我々は、計算科学的手法を用い、300万個を超える分子についてμOR構造への係留状態を調べ、既知のオピオイドとは無関係の新しい骨格を見つけ出した。そして構造に基づく最適化を行い、強力なGi活性化剤であるPZM21を得た。PZM21はμORへの選択性が非常に高く、βアレスチン2の動員は最小限に抑えられている。モルヒネと同等の鎮痛効果が見られる量を投与したマウスでは、PZM21はモルヒネとは異なって鎮痛の反射的構成要素よりも情動的構成要素の方に効果があり、呼吸抑制もモルヒネ様の強化作用も見られない。従って、PZM21はμORシグナル伝達を解明するためのプローブとなり、また現行のオピオイドの副作用の多くを持たない治療薬のためのリード化合物にもなる。

