免疫学:NOD1およびNOD2シグナル伝達は小胞体ストレスと炎症をつなぐ
Nature 532, 7599 doi: 10.1038/nature17631
小胞体ストレスは、クローン病や2型糖尿病などの炎症性疾患の大きな要因である。小胞体ストレスは、折りたたみ不全タンパク質応答(UPR)を誘導し、これにはATF6、PERK、IRE1αという3つの膜貫通タンパク質受容体の活性化が関わっている。IRE1αは一度活性化されると、TRAF2を小胞体膜へ誘導してNF-κB経路を介して炎症応答を引き起こす。炎症は一般に、Toll様受容体やNOD(nucleotide-binding oligomerization domain)様受容体などのパターン認識受容体(PRR)が組織傷害や微生物感染を検出した時に引き起こされる。しかし、小胞体ストレスの際の炎症誘導にどのPRRが主要な役割を担っているかは明らかにされていない。本論文では、PRRのNOD様受容体ファミリーに属するNOD1とNOD2の2つが、マウスとヒトの細胞で小胞体ストレスにより誘導される炎症の重要なメディエーターであることを示す。小胞体ストレスを誘導するタプシガルギンやジチオトレイトールは炎症性サイトカインであるIL-6の産生をNOD1/2依存的に引き起こす。ブルセラ属細菌であるBrucella abortus感染はIV型分泌系のエフェクタータンパク質であるVceCを宿主細胞へ注入することで小胞体ストレスを引き起こす。この菌への感染によって引き起こされる炎症やIL-6産生はTRAF2、NOD1/2およびRIP2に依存していて、小胞体ストレスの阻害剤であるタウロウルソデオキシコール酸やIRE1αキナーゼ阻害剤の投与によって抑制される。IRE1α/TRAF2シグナル伝達経路によって誘導される炎症応答とNOD1/NOD2との関連は、自然免疫と小胞体ストレス誘導性の炎症との間のこれまで知られていなかったつながりを示している。

