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免疫学:活性化Tリンパ球では分裂後に細胞非対称的代謝が維持される
Nature 532, 7599 doi: 10.1038/nature17442
非対称細胞分裂は、有糸分裂の際の極性を生じさせる合図に応答して行われる細胞構成成分の分割であり、分化や発生に役割を担っている。非対称分裂は、線虫の一種Caenorhabditis elegansやショウジョウバエ(Drosophila)の受精した接合子での神経芽細胞の自己複製や、哺乳類の神経系や消化器系の発生に重要である。Tリンパ球は、抗原提示細胞(APC)によって活性化されると、非対称分裂を行えるようになり、APCに近い方の娘細胞はエフェクター様T細胞に、APCから遠い方の娘細胞は記憶様T細胞にそれぞれ分化する可能性が高い。活性化されたTリンパ球では、細胞分裂が起こるのに先立って、代謝再プログラム化(その後の急激に進む細胞増殖に必要とされる)が転写因子c-Mycの発現によって引き起こされる。今回我々は、マウスで活性化T細胞が最初に分裂する際にc-Mycが娘細胞に非対称的に分配されることを見いだした。アミノ酸輸送体、細胞に含まれるアミノ酸、mTORC1(mammalian target of rapamycin complex 1)活性の非対称分布はc-Myc発現量と相関していて、アミノ酸とmTORC1活性の両方が、一方の娘細胞と他方の娘細胞を比較した際のc-Myc発現の違いを持続させる。娘T細胞でのc-Mycレベルの非対称性は、増殖、代謝および分化に影響を及ぼし、このような影響はmTORC1活性あるいはc-Myc発現を実験的に操作してやることによって変化する。従って、代謝シグナル伝達経路は転写プログラムと協調して、非対称分裂後のT細胞のさまざまに異なる細胞運命を維持しているのだろう。

