Letter

気候科学:米国における気象の近年の改善と予測される悪化

Nature 532, 7599 doi: 10.1038/nature17441

気候変動が進展するにつれて、米国の気象系は、地域や季節によって異なるパターンで変化してきている。一般的に気候科学研究では、気温や降水量などの個々の気象指標を調べ、そうした値を地表面にわたって空間的に平均することで、こうした変化を評価する。結果的に、気象の変化にさらされる人口や、まとめて扱われる気象の変化を人々がどのように感じ、評価するかについては、ほとんど分かっていない。本論文では、1974~2013年の米国では、大半の人々が経験する気象条件が改善されたことを示す。我々は、気象が地域的な人口増加にどのような影響を与えるかに関する過去の研究を用いて、人々が好む気象についての指標を開発し、米国民の80%は、40年前よりも気象が好ましい地域に住んでいることを見いだした。実質的には全ての米国民は現在、彼らが一般的に好む非常に温暖な冬を過ごしており、こうした暖冬は、著しく不快な夏などの負の変化によって相殺されていなかった。しかし、気候変化モデルは、いずれは米国の夏は冬よりも温暖化するため、この傾向は一時的であると予測している。我々は、温室効果ガスの排出が削減されずに続くシナリオ(代表的濃度経路8.5)では、今世紀の終わりには米国民の88%が、近年経験したよりも好ましくない気象を経験すると見積もっている。気候変動問題に対する人々の理解の一部は、地域的な気象の経験によって形成されるが、今回の結果はこうした理解に影響を及ぼす。最近数十年の気象パターンは、米国民に政治的な対応を要求させる動機とはなっていないが、ひとたび気候変動の影響に対する人々の日常的な経験が好ましくないものになり始めれば、社会的関心が高まる可能性がある。

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