Letter

生物地球科学:大気中CO2と南大洋深海の酸素化の最終氷期を通した共変動

Nature 530, 7589 doi: 10.1038/nature16514

氷期–間氷期サイクルを通した過去の大気中二酸化炭素(CO2)濃度変動の全振幅は、単一の機構では説明できない。最終氷期極大期に深海で炭素の蓄積が起こったことは示されている。しかし、退氷期における深海に隔離された炭素の大気中への放出に関与する機構や、最終氷期極大期以前の大気中CO2濃度の千年スケールの変動を調節する上での深海隔離の相対的重要性は、まだよく分かっていない。本論文では、南極域の南大洋で得られた堆積物の酸化還元感受性微量金属の記録を提示する。この記録から、最終氷期サイクルを通した深海の酸素化と、推論の結果としての、呼吸による炭素貯蔵の過渡的な変化が再構築される。今回のデータは、塵による鉄肥沃化の低下と深海の換水の増大が組み合わさったことを少なくとも部分的には反映して大気中CO2濃度が急激に増加した、退氷期における北半球の寒冷期に、呼吸による炭素が南大洋の深海から移動したことを示唆している。さらに、今回の記録は、過去8万年間の大半を通して、大気中CO2濃度と南大洋深海の酸素化に観測される共変動が維持されていたことを示している。このことは、千年の時間スケールで南大洋の深海循環と鉄肥沃化が、大気中CO2濃度の変動に一貫した役割を果たしていたことを示唆している。

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