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微生物生態学:数世代の間に腸内微生物相全体で起こる、食餌に誘発される構成菌群の消滅

Nature 529, 7585 doi: 10.1038/nature16504

腸内には数兆もの微生物が生息しており、免疫機能や代謝など、ヒトの生物学的過程の多くの面で基本的な役割を担っている。伝統的な生活様式の集団の腸内微生物相と比較すると、西洋型の生活様式の集団の腸内微生物相は多様性が減少していることから、近代化の過程で微生物相の変化を引き起こした要因は何かという疑問が生じる。食物繊維に含まれるMAC(microbiota-accessible carbohydrate)は、この微生物生態系の形成に重要な関与をしており、より伝統的な食餌に比べて西洋型の食餌(脂肪や単純炭水化物が多く含まれ、繊維が少ない)で顕著に少なくなっている。今回我々は、低MAC食を摂取させた、ヒト微生物相を持つマウスの微生物相の変化は単一世代内ではほぼ可逆的であることを示す。しかし、数世代にわたって低MAC食を摂取させると多様性が進行性に減少し、食餌にMACを再導入しても回復しない。微生物相を当初の状態に戻すためには、食餌によるMAC摂取と組み合わせて、消失した複数のタクソンを投与する必要がある。我々のデータは、食餌中のMACの不足によって存在量が減少したタクソン群は次世代に効率的に移行せず、隔離集団内では消滅するリスクが高いことを例示している。西洋型の生活様式の微生物相に関連付けられる疾患が増え、微生物相が治療標的とされるようになってきたため、微生物相の再プログラム化には、食餌中のMACに加え、西洋型の生活様式のヒトの腸に現在生息していないタクソン群を取り込む戦略を組み入れる必要があるかもしれない。

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