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心血管生物学:FOXO1は血管内皮の代謝活性と増殖状態を結び付ける
Nature 529, 7585 doi: 10.1038/nature16498
内皮細胞(EC)は可塑性のある細胞であり、生体エネルギー要求や生合成要求が異なる増殖状態の間を切り替わることができる。ECはほとんどの正常組織で静止状態にあるが、血管新生誘導刺激により速やかに分裂し移動し始める。内皮の代謝を増殖状態に調整することは、血管の正常な増殖や機能に重要であるが、分子レベルでの理解は進んでいない。本研究では、FOXO(forkhead box O)転写因子FOXO1が、血管増殖の必須調節因子であり、ECの代謝活性と増殖活性を結び付けていることを報告する。マウスでFOXO1を内皮限定的に欠失させると、ECの増殖が著しく増加して協調的な発芽が妨げられ、結果として過形成と血管面積拡大が起こる。逆に、FOXO1を強制発現させると血管の増殖が制限され、血管が細くなり分枝の減少につながる。我々は、FOXO1が内皮静止状態のゲートキーパーとして働き、解糖とミトコンドリア呼吸を低下させることで代謝活性を減速させることを見いだした。機構的には、FOXO1は同化代謝と増殖の強力な促進因子であるMYC(別名c-MYC)によるシグナル伝達を抑制する。MYCを欠失させると、解糖やミトコンドリア機能、ECの増殖が損なわれるが、ECでMYCを特異的に過剰発現させるとそれらの過程が促進される。さらに、FOXO1を過剰発現する内皮でMYCシグナル伝達を回復させると、代謝活性や分枝パターンが正常化する。今回の結果は、FOXO1が血管増殖における非常に重要な可変抵抗器であることを明らかにし、FOXO1–MYC転写ネットワークが、内皮の成長と増殖の際の新たな代謝チェックポイントであることを示している。

