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古気候学:過去と将来の氷期の開始を判断するための臨界日射量と二酸化炭素の関係

Nature 529, 7585 doi: 10.1038/nature16494

過去に起こった北半球の大陸氷床の急速な成長は、温暖かつ安定な気候期を終息させ、北方域における夏季の日射量の減少に起因すると一般的に考えられている。しかし、現在そうした夏季の日射量は極小に近いが、新たな氷期の兆候は見られない。このことは、氷期サイクルを駆動する機構についての我々の理解と、次の氷期の開始を予測する能力に疑念を生じさせている。本論文では、北方域の夏季の日射量と全球の二酸化炭素(CO2)濃度の間の臨界関数関係を提案する。これによって、過去8回の氷期サイクルの始まりが説明され、将来の氷期の開始も予想できる可能性がある。古気候データによって絞り込んだ中程度に複雑な地球システムモデルから生成されたシミュレーションのアンサンブルを用いて、産業革命が始まる以前には氷期の開始は辛うじて起こらなかったと、我々は考える。氷期が始まらなかった原因は、後期完新世の比較的高いCO2濃度と地球の小さな軌道離心率の複合的な影響で説明できる。加えて、今回の解析から、ヒトによる擾乱がなくても、今後数千年間は氷床が著しく成長することはなく、おそらく現在の間氷期は今後5万年続くと思われることが示唆される。しかし、1000~1500ギガトン炭素という中程度の人為的累積CO2排出量では、次の氷期の開始は少なくとも10万年先に延びるであろう。今回のシミュレーション結果は、自然の条件下のみでも、地球システムは異常に長期にわたって現在の精妙に均衡した間氷期の気候状況を維持し、北半球の大規模な氷河化と完全な退氷の両方を避けられることを示している。

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