Letter
構造生物学:ホロ非リボソームペプチドシンテターゼが採る2つの異なるコンホメーションの構造
Nature 529, 7585 doi: 10.1038/nature16163
複数のドメインを持つ非リボソームペプチドシンテターゼ(NRPS)は、多くの重要な天然物の産生に関わっている。合成の際、中間産物は組み込まれた運搬ドメインに共有結合し、組み立てラインに似た方式によって隣接する触媒ドメインへと送られる。NRPSが関わる触媒反応の構造基盤が解明されれば、新規な産物を創出する生物工学的手法の開発が促進されるだろう。今回我々は、2種類のホロNRPSモジュールの構造について述べる。これらはそれぞれ、触媒サイクルの異なる段階を明らかにしている。一方の構造からは、運搬ドメイン補因子がペプチド結合を形成する縮合ドメインへ結合しているのが示され、もう一方の構造はアデニル化ドメイン内でのこの補因子へのアミノ酸の導入反応を捉えている。これらの構造は、アデニル化ドメイン内のコンホメーション変化が、中間体のドメイン間での輸送を方向付けていることを明らかにしている。さらに、構造の1つから、縮合ドメインとアデニル化ドメインの両方が同時に触媒作用を行うコンホメーションを採ることが明らかになり、修正された構造サイクルでは全体的な効率が上がっていることが判明した。これらの構造と単粒子電子顕微鏡解析により、高度に動的なドメイン構成が明らかになり、構造的機構の解明のための基盤が与えられた。これによって新規のNRPSが作出されるかもしれない。

