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ウイルス学:ANP32Aの種による違いがA型インフルエンザウイルスポリメラーゼに見られる宿主制限の基盤となっている

Nature 529, 7584 doi: 10.1038/nature16474

インフルエンザの予想外のパンデミックが起こるのは、新しい抗原性を持つ人獣共通インフルエンザウイルスがヒトの間で伝播する能力を獲得する場合である。宿主域の障壁突破は、鳥ウイルスの構成要素とヒト宿主の間の不適合によって制限されている。このような障壁としては、ヒト細胞での受容体選択性、ウイルス粒子の安定性、鳥ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼの活性低下などがある。ヘテロ三量体のウイルスポリメラーゼの構成要素の変異、特にPB2タンパク質の変異は哺乳類への適応の過程で選択されるが、そうした変異体がどのような様式で働くのかは分かっていない。我々は、宿主タンパク質ANP32Aの種特異的な差異が、哺乳類細胞で鳥ウイルスポリメラーゼの機能が最適に達しないことの説明となるのを明らかにする。鳥ANP32Aはロイシンリッチリピートドメインとカルボキシ末端のLCAR(low-complexity acidic region)ドメインの間に33個のアミノ酸が余分に存在する。哺乳類細胞では、鳥ウイルスポリメラーゼの最適に及ばない機能が鳥ANP32Aにより救済され、哺乳類に適応したポリメラーゼと同様のレベルとなる。ニワトリANP32Aから鳥特異的配列を除くと、このような作用は消失するが、ヒトANP32A、あるいは近縁性の高いANP32Bへのこの配列の挿入は鳥ウイルスポリメラーゼの機能を助けることが分かった。PB2(E627K)のような置換は、H5N1あるいはH7N9鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染の際に迅速に選択され、鳥ウイルスポリメラーゼを哺乳類のより短いANP32Aに適応させた。従ってANP32Aはインフルエンザウイルスの複製を助けるためにウイルスが採用した、宿主由来の不可欠なパートナー分子であり、これは新しい抗ウイルス薬の宿主標的候補となる。

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