Letter
がん:PTPRK-RSPO3大腸がんのターゲッティングは分化と幹細胞機能の消失を促す
Nature 529, 7584 doi: 10.1038/nature16466
大腸がんに対する治療は大きな医学的ニーズでありながらいまだにそれが満たされておらず、この分野では標的治療の開発につながる可能性のある分子ドライバーを見つけるために大規模なゲノミクス研究が盛んに行われている。我々は以前に、大腸がんの部分集団にはR-spondin遺伝子の反復性の転座が存在することを報告した。本研究では、PTPRK-RSPO3融合遺伝子陽性のヒト腫瘍の異種移植片でRSPO3をターゲッティングすると、腫瘍の増殖が阻止されて分化が促されることを示す。腸の幹細胞区画で発現する遺伝子群が、抗RSPO3抗体投与に対し最も感受性の高いものに含まれていたことは重要である。今回の結果を機能解析と合わせると、幹細胞区画がPTPRK-RSPO3大腸がんの増殖のドライバーであることが示唆され、大腸がん治療で腫瘍内の幹細胞特性を治療標的とすれば、臨床的に意義のある方法となる可能性が示された。

