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免疫学:LAIR1の挿入はマラリア抗原バリアントに対して広く反応する抗体を生み出す
Nature 529, 7584 doi: 10.1038/nature16450
熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)に感染した赤血球の表面に発現される抗原は、マラリアに対する自然獲得免疫の重要な標的だが、その数と多様さは、この病原体が宿主抗体から逃れる強力な手段となる。このような抗原に広く反応する抗体は、治療薬として、またワクチン設計に有用と考えられるが、そうした抗体がどういう性質を持つのかはまだ明らかになっていない。今回我々は、熱帯熱マラリア原虫の多様な単離株に感染した赤血球を認識し、RIFINファミリーメンバーに結合することによってこの細胞をオプソニン化するヒトモノクローナル抗体群を単離したことを報告する。これらの抗体は、V領域とDJ領域間への大型DNA断片の挿入という新たな機構を介して広範な反応性を獲得していた。この挿入はRIFINとの結合に必要十分であって、挿入断片は第19染色体にコードされる免疫グロブリンスーパーファミリー抑制性受容体であるLAIR1の98個のアミノ酸からなるコラーゲン結合ドメイン全体をコードしている。調べられた2人のドナーのそれぞれで、この抗体は増殖した単一のB細胞クローンによって産生されており、LAIR1ドメイン内には2種類の体細胞変異が生じ、その1つによりコラーゲンへの結合が起こらなくなり、もう1つにより感染した赤血球への結合が増加していることが分かった。今回の知見は、生物学的な例を示して、染色体間のDNA転位による抗体多様化という新規な機序を明らかにしており、マラリアワクチン開発にとって適切な候補となる可能性のある保存されたエピトープの存在を実証している。

