Letter
地質学:深部への炭素沈み込みの障壁としてのスラブ融解
Nature 529, 7584 doi: 10.1038/nature16174
地殻とマントルの貯蔵庫間の相互作用は、地質学的時間にわたって地表に存在する揮発性元素の量を支配し、大気組成を調節して生命を育む惑星を維持している。揮発性成分は、火山によって地表の貯蔵庫へ放出され、その一方で海洋地殻の沈み込みによってマントル貯蔵庫へ補充されている。上部マントル深部と遷移層で生成される多くの天然の「超深部」ダイヤモンドは、鉱物包有物を含み、沈み込んだ海洋地殻との類似性を示す。本論文では、スラブの等地温線の大部分が、炭酸塩化した海洋地殻の融解曲線に沿った深部での低下と約300~700 kmの深さで交わっており、マントル深部への炭酸塩の直接再循環に対する障壁となっていることを示す。低度の部分融解メルトは、還元的な周囲のマントルと極めて反応しやすいアルカリ性のカーボナタイトとなっていて、ダイヤモンドが生成される。超深部ダイヤモンドの包有物の多くは、炭酸塩メルトとかんらん岩の反応によって最もよく説明できる。深部の炭素の障壁は、マントルにおける炭素循環を支配し、マントル貯蔵庫の化学的不均一性と同位体の不均一性の一因となっている可能性がある。

