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物性物理学:325 GPa以上における高密度水素の新しい相を示す証拠

Nature 529, 7584 doi: 10.1038/nature16164

約80年前に、十分な圧縮下では分子状水素(H2)のH–H結合が切断され、新たな原子状で金属性の固体状態の水素が形成されると予言された。この状態を実験により実現することは、過去30年における高圧研究の重要な目的の1つであった。本論文では、in situでの高圧ラマン分光法を使って、300 Kで325 GPaより高い圧力において、H2と重水素化水素(HD)が新しい相、V相へ変態するという証拠を提示する。水素のこの新しい相には、振動ラマン活性がかなり弱くなり、基本振動周波数の圧力依存性が変化し、低振動数励起の一部が失われるという特徴がある。我々は、示唆されるH2とHDのV相の圧力–温度空間における領域を、300 Kにおいて最高388 GPaまで、350 GPaにおいて最高465 Kまで図示している。重水素(D2)ではV相は観測されなかったが、IV′相への変態は310 GPa以上かつ300 K以上で起こることが示された。こうした値は、圧力下における知られた中で最大の同位体シフトであることから、H2相とD2相との間に起こり得る最も大きな圧力差であり、380 GPa以上の圧力でD2にV相が出現するに違いないことを示唆している。こうした実験データから、325 GPa以上での高密度水素の物理特性が垣間見え、新しい相が存在する圧力と温度の条件が絞り込まれる。我々は、V相が、80年前に予言された水素の非分子性(原子状かつ金属性)状態の前駆相であると推測する。

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