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抗生物質:新規な抗体–抗生物質抱合体は細胞内の黄色ブドウ球菌を排除する
Nature 527, 7578 doi: 10.1038/nature16057
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は細胞外病原体と見なされている。しかし、宿主細胞内で黄色ブドウ球菌が生存すれば、抗生物質からかなり保護されているリザーバーが生じる可能性があり、そうなれば長期間にわたって宿主に定着することが可能となって、抗生物質による治療後の臨床的失敗や再発の説明がつく。我々は、マウスで見られる黄色ブドウ球菌の細胞内リザーバーは、バンコマイシン存在下であっても感染の成立が可能な病原性の高い細菌サブセットを含むことを立証し、細胞内の黄色ブドウ球菌を殺菌する効果のある新規治療薬について報告する。この抗体–抗生物質抱合体は、黄色ブドウ球菌に対する抗体を効力が極めて高い抗生物質に連結したもので、抗生物質はファゴリソソーム内のタンパク質分解環境内に放出された後にのみ活性を持つようになる。この抗体–抗生物質抱合体は、菌血症の治療に関してバンコマイシンよりも優れており、また細胞内に存在する黄色ブドウ球菌が侵襲性感染症の重要な要因の1つであることを示す直接的証拠を与えるものである。

