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材料科学:固有の熱管理機能を備えた柔軟な金属有機構造体におけるメタン貯蔵
Nature 527, 7578 doi: 10.1038/nature15732
天然ガスは、よりクリーンかつ安価で地球全体に一様に分布している燃料であり、環境、経済、政治の面で、輸送分野のエネルギー源として石油に勝る大きな利点がある。こうした利点にもかかわらず、特に車内に燃料貯蔵用のスペースがあまりない軽量自動車向けの場合、周囲温度と周囲圧力での体積エネルギー密度が低いことが大きな課題となっている。吸着天然ガスシステムは、周囲温度で適度な圧力下において、多孔性材料内にメタン(CH4、天然ガスの主成分)を高密度で貯蔵できる可能性がある。CH4貯蔵用として活性炭、ゼオライト、金属有機構造体が広く研究されてきたが、大容量システムの設計や、吸着材へのガス吸着と吸着材からのガス脱離に伴う熱変動の管理に実用上の課題がある。今回我々は、金属有機構造体における可逆的な相転移を利用して、吸着・脱離時の内部熱管理を行いながら、供給可能なCH4容量を最大化した。特に、柔軟な化合物であるFe(bdp)とCo(bdp)(bdp2− = 1,4-ベンゼンジピラゾレート)が特定のCH4圧力に応答して構造相転移するため、急峻な「ステップ」を特徴とする吸着・脱離等温線が得られることを示す。そうした挙動によって、貯蔵容量を従来の吸着材より大きくできると同時に、吸着時に放出される熱量と脱離時の冷却の影響を減らすこともできる。相転移に伴う圧力とエネルギーは、化学的に、もしくは機械的圧力をかけることによって調節できる。

