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遺伝学:DNA依存的転写因子ペアの形成が結合特異性を変化させる
Nature 527, 7578 doi: 10.1038/nature15518
遺伝子発現は、短いDNA塩基配列モチーフを認識するタンパク質である転写因子(TF)によって調節される。そのような塩基配列はヒトゲノムの中に非常に多く存在しており、近接した位置にあるモチーフへの複数のTFの協調的結合は遺伝子発現特異性の重要な決定因子の1つとなっている。しかし、DNAに結合したTF間の相互作用は体系的に調べられていない。DNAに協調的に結合するTFペアを見つけ、それらの間隔の取り方と方向の選択性の特徴を明らかにするために、我々は、9400のTF–TF–DNA相互作用についてCAP-SELEX(consecutive affinity-purification systematic evolution of ligands by exponential enrichment)法により解析を行った。この解析によって618のヘテロ二量体モチーフを認識する315のTF–TF相互作用が明らかになり、それらの多くはこれまで報告されたことがないものであった。観察された協調性は、さまざまな構造ファミリーに属するTF間で無秩序に起きていた。これまでに明らかになっている認識部位に結合したMEIS1とDLX3の新たな結晶構造など、TFペアの構造解析から、TF間の相互作用は主にDNAにより行われていることが分かった。明らかになったTFペア部位の多くが、個々のTF認識モチーフ間に大きなオーバーラップを含み、その結果個々のTFモチーフとは著しく異なる複合部位の認識につながっていた。以上より、遺伝子調節配列目録を規定する協調的相互作用においてDNA分子が一般に積極的な役割を果たしていることが示唆される。

