幹細胞:骨髄の深部画像化から非分裂幹細胞は主に洞様血管周囲に存在することが示される
Nature 526, 7571 doi: 10.1038/nature15250
造血幹細胞(HSC)は血管周囲のニッチに存在しているが、このニッチの明確な位置については意見が一致していない。HSCはまれな細胞であり、組織の薄切切片あるいはライブ画像化ではほとんど見ることができないため、分裂および非分裂のHSCの位置を包括的に決定することは困難である。今回我々は、マウスでCtnnal1遺伝子にノックインしたGFP(以下α-catulinGFPとする)を用いて、α-catulinGFPが、骨髄造血細胞の0.02%にしか発現しておらず、これにはほぼ全てのHSCが含まれていることを見いだした。放射線照射を受けたマウスでは、α-catulin–GFP+c-kit+細胞の約30%が多細胞系譜による長期再構築を行うことが分かったことから、α-catulin–GFP+c-kit+細胞が、HSCの純度において現在使用できる最も良いマーカーを用いて得られた細胞に匹敵することが示された。骨髄を透明化して深部共焦点画像化を行うと、数千個のα-catulin–GFP+c-kit+細胞を画像化でき、また、骨髄の大きな領域をデジタル処理により再構築できた。α-catulin–GFP+c-kit+細胞の分布から、HSCは骨表面近傍よりも骨髄の中心部、つまり骨幹端よりも骨幹に一般的に見られることが示された。ほぼ全てのHSCがレプチン受容体陽性(Lepr+)およびCxcl12highのニッチ細胞と接触しており、HSCの約85%が洞様血管の10 μm以内に存在していた。ほとんどのHSC、つまり分裂HSC(Ki-67+)および非分裂HSC(Ki-67−)の両方が、細動脈、移行帯血管および骨表面から離れた所に位置していた。従って、分裂および非分裂のHSCは骨髄全体でLepr+Cxcl12high細胞と共に洞様血管周囲ニッチに主に存在しているのである。

