Letter

古生物学:カメ類の頭蓋の進化的起源

Nature 525, 7568 doi: 10.1038/nature14900

カメ類の起源に関する情報をもたらす移行化石は、古生物学界で発見が待望されているものの1つである。ゲノムによる証拠は、カメ類が双弓類の放散(他の全ての現生爬虫類はここに含まれる)の中から進化したことを強く示しているが、穴が開いた双弓類の頭蓋を有する祖先型カメ類と、穴が閉じた無弓類様の頭蓋を有する現生カメ類との間に起こったと推測される形態移行の証拠はいまだに見つかっていない。今回我々は、高分解能のコンピューター断層撮影法と新たな形質/タクソンマトリックスを用いて、南アフリカのカルー盆地で見つかった2億6000万年前の化石爬虫類Eunotosaurus africanusの頭蓋を調べた。この爬虫類の頭部より後方の特徴的な骨格には、甲を有するカメ類のボディープランと共通するさまざまな独特の構造が見られる。Eunotosaurusを最古のステム系統カメ類として位置付けることに対する懐疑論は、甲に関連するこれらの独特の構造が進化的収斂の産物である可能性があることに起因している。我々の系統発生解析は、Eunotosaurusがカメ類の進化における重要な移行型であることが、その頭蓋によって強く裏付けられることを示している。これにより、カメ類ステム系統の4000万年の延長が支持されるとともに、カメ類の出現時の生態学的状況も陸上に戻ることになる。さらに、Eunotosaurusが双弓類爬虫類であって二次的に無弓類化する途上にあることを示す予想外の証拠も得られた。これが重要であるのは、羊膜類の系統分類学では、adductor chamber(下顎内転筋を収める空間)を覆う皮骨複合体に開いた穴の数に基づく頭蓋の分類が長く主流となっていて、この分類群の進化史を教えるに当たって今なお共通の機構的枠組みとなっているためである。今回の発見により、カメ類ステム系統に沿う形で側頭窓が閉鎖されていったという詳細で検証可能な仮説を明確に示すことができる。今回の結果は、Eunotosaurusが、爬虫類の系統分類学で最終的に統合されて出来上がる鎖の極めて重要な環の1つとなることを示唆しており、羊膜類の進化および発生に関する総合的研究への道を開く。

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