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生物工学:改変されたPAM特異性を持つ遺伝子工学的CRISPR-Cas9ヌクレアーゼ

Nature 523, 7561 doi: 10.1038/nature14592

CRISPR-Cas9ヌクレアーゼはゲノム編集に広く使われるが、Cas9が認識できる塩基配列の範囲は特異的なPAM(protospacer adjacent motif)が必要であるため限られている。その結果、さまざまなゲノム編集の適用に必要な二本鎖切断(DSB)を正確に標的とすることがしばしば困難になり得る。PAM特異性を意図的に改変したCas9誘導体を遺伝子操作で作ることができれば、この限界に対処できるかもしれない。今回我々は、構造情報、細菌選択を基盤とする定方向進化、組み合わせデザインを用いて、一般に使われている化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)のCas9(SpCas9)を異なるPAM塩基配列を認識するように変えられることを示す。これらの改変PAM特異性バリアントはゼブラフィッシュおよびヒト細胞で、現在野生型SpCas9では標的にできない内在性の遺伝子部位をロバストに編集することができ、GUIDE-seq解析で評価されたように、その全ゲノム特異性は野生型SpCas9に匹敵する。さらに、我々はヒト細胞で特異性が向上した別のSpCas9バリアントを明らかにし、その特性を示す。このバリアントは、非カノニカルなNAGおよびNGA PAMおよび/あるいはミスマッチのあるスペーサーを持つオフターゲット部位の識別に優れている。また、2つのより小さなサイズのCas9オルソログ、Streptococcus thermophilusのCas9(St1Cas9)と黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のCas9(SaCas9)が、細菌選択系およびヒト細胞で効率的に機能することが明らかになり、我々の遺伝子操作戦略が他種のCas9に応用可能であることが示唆された。以上の結果から、広く使用できるSpCas9バリアントが提供され、また、さらに重要なことに、改変、改良されたPAM特異性を持つ広範なCas9を、遺伝子操作によって作製可能なことが明らかになった。

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